学会70年史
『日本金融学会70年の歩み』

日本金融学会70年史の編集にあたって

日本金融学会は1943年6月に設立されましたので、2013年は日本金融学会設立70周年の年でした。それを記念するために、常任理事会は『70年史』誌の刊行を理事会に提案しました。理事会の先生方の賛成が得られ、また、総会でも了承されたことから、2013年夏頃から本格的に編集作業を進めてきました。

日本金融学会では、40周年時に『金融学会の創立と初期の活動』(以下、『40年史』)が刊行され、さらに60周年の際には、晝間文彦早稲田大学教授を編集代表者として『日本金融学会60年の歩み』(以下、『60年史』)が発行されました。この『40年史』や『60年史』のおかげで、過去60年間の日本金融学会の活動の歴史の重みを認識することができるようになっています。

『70年史』の編纂に当たっては、『70年史』編集委員会は、次のような目標と方針を立てました。

第一に、『60年史』以降、70周年を迎えた2013年度までの活動を対象にして、将来、たとえば、『100年史』を編集する際のために、この10年間の学会活動に関連する資料をまとめておくこと。

第二に、数字的な記録だけではなく、学会活動を支えてこられた先生方のご苦労の一端を記録しておくことで、学会の活動への一般会員の理解を深めていただき、今後の学会の発展につなげること。

第三に、学会HPが充実されてきたことから、費用の問題も踏まえて、紙媒体の印刷を行わず、ホームページ上に掲載する形で刊行すること。また、将来、紙媒体で印刷されることの承諾を受けて寄稿していただくこと。

以上のような目標・方針の下で、まず、歴代の会長経験者に寄稿していただきました。次に、学会の最も重要な行事は春と秋の全国大会の開催です。この10年間に20大学が主催校の役割を果たして下さいました。それぞれの主催校の先生に大会運営の思い出について寄稿していただきました。

日本金融学会の特徴の一つは、地域ごと、専門分野ごとに組織された部会活動が活発なことです。現在、9つの地域・専門部会がありますので、それぞれの部会の代表者の先生に部会運営の経験を寄稿していただきました。

本部活動に関連して、日本金融学会が持つ2つの機関誌の編集委員長や編集委員の先生方、およびホームページ委員長にも寄稿していただきました。さらに、日本金融学会は韓国や中国の金融学会と学術交流を進めてきましたが、それを担当していただいた先生方にも寄稿していただきました。

また、『60年史』の中から、日本金融学会の60年の歴史を展望している佐藤政則麗澤大学教授の論文を特別に収録させていただくことにしました。これによって、この『70年史』だけをみても金融学会の70年間がわかることになりました。

さらに、総会資料などについては事務局の助けを得ながら、おもに編集委員の橋本理博氏(名古屋大学研究員)に整理していただきました。

具体的な原稿の依頼から原稿の提出まで時間的なゆとりがあまりない中、協力していただいた先生方に深く感謝します。本書が日本金融学会の活動の一層の活発化につながることになれば、編集委員会としては望外の喜びであります。

2014年5月

編集委員長
日本金融学会常任理事・神戸大学教授 家森信善
<編集委員(50音順)>
常任理事・九州大学教授 川波洋一
麗澤大学教授 佐藤政則
常任理事・神戸大学教授 地主敏樹
理事・北九州市立大学教授 前田 淳
理事・一橋大学教授 三隅隆司
<編集ワーキンググループ委員>
名古屋大学特別研究員 橋本理博
学会70年史の内容(目次)